皆さんは『セロトニン』を知っていますか?
セロトニンは「幸せホルモン」としても知られており、心の安定や幸福感、睡眠規律、食欲調節などに関与しています。
セロトニンはうつ病の発症や症状にも深く関連しています。
セロトニンの不足は、遺伝的要因やストレス、栄養不良、薬物の副作用などによって引き起こされる可能性があります。
本記事では、セロトニンの効果とうつ病への影響、増加方法について紹介します。
セロトニンの効果とうつ病の関係性
セロトニンは、感情や心の安定に関与する重要な神経伝達物質です。不足するとうつ病の発症リスクが高まると考えられています。
セロトニン欠乏で生じる症状
セロトニンが不足すると、気分の低下、不安感、睡眠障害などのうつ病の症状が現れることがあります。
食事による摂取が必須
セロトニンは必須アミノ酸であり自分の体内で作ることができず、食事から摂取する必要があります。
セロトニンを増やす方法
セロトニンを増やすためには、以下の方法があります
食べ物・飲み物による補給
トリプトファンというアミノ酸を多く含む食品を摂取することで、セロトニンの合成を促すことができます1)。
・バナナ・ナッツ・豆腐や納豆などの豆類・豆乳・牛乳・肉など
リズム運動
一定時間のリズムをもった運動によりセロトニン分泌が促進され、心の健康に良い影響を与えるとされています。
散歩(ウォーキング)
両腕を大きく振り、リズムよく大股で早歩きをするのがおススメです(分速150m)1)。
可能であれば20分継続できれば良いとの事。
ただ急に20分は無理ですので数分から始めるのがおススメです。
咀嚼(ガムを噛む・食事でよく噛む)
食べ物を口に入れ飲み込むまで20回以上よく噛むように推奨されています2)。
噛む回数を補うためにガムを噛むのもおススメです。
自転車をこぐ
自転車エルゴメーターを15分間
回転数は1分間に60回転
負荷は楽~ややきついと感じる程度(ボルグスケールが12~13)
この設定で運動を行うと運動の前と比べてセロトニンが増加。
緊張・不安および混乱が減少したと報告がされています3)。
呼吸
深呼吸を20分程度するとセロトニン分泌が促進されるためおススメです3)。
日光浴
日光を浴びることで体内のセロトニン合成が促されるため外出するか、もしくは窓際で日光を浴びるようにします。
家のライトのような弱い照度では大きい効果は認められていません。
2000~3000ルックスほどの照度が必要とされています。
曇り空でも32000ルクスあるため十分です。
短時間の日光浴でもセロトニンが活性化することが、動物実験で明らかになっています4)。
ストレス管理
ストレスはセロトニンの分泌を妨げる要因の一つです。
リラクゼーション法やストレス軽減の方法を取り入れることが大切です。
マインドフルネス

ネガティブ・ダストビン

セロトニンの原料:トリプトファン
トリプトファンは肉類に多く含まれる必須アミノ酸です。
セロトニンの原材料になる栄養素であり不足することでメンタルに悪影響を及ぼします。
トリプトファン欠乏で生じる症状
ノースダコタ大学の論文によれば
ストレスに弱くなる
論理的な思考力の衰え
上記のような症状が生じます5)。
摂取量の目安
WHOは体重1kg当たり4mgの摂取が望ましいと報告しています(体重50kgなら200mg)6)
副作用
1日に3,000mg~6,000mg程度のトリプトファンを摂取し続けると、頭痛、吐き気、無気力が生じると報告されています。
医師や専門家の意見を聴いて取り過ぎには注意してください。
トリプトファンを含むサプリ
トリプトファンのサプリも商品として売り出されています。
トリプトファン不足を感じる方は試してみるのはいかがでしょうか?
まとめ
セロトニンは心の健康において重要な役割を果たしています。
セロトニンを増やすためには、食事、適度な運動、日光の取り込み、ストレス管理などの健康的な習慣が重要です。
トリプトファンのサプリを利用するのも手ですが副作用にも気をつけてください。
うまく生活に取り入れてうつ病治療にいかしましょう。
参考文献
1)小西正良 吉田 愛実.セロトニン分泌に影響を及ぼす生活習慣と環境 Journal of Osaka Kawasaki Rehabilitation University Vol.5:11~20(2011)
2)Mohri Y, Fumoto M, Sato-Suzuki I, Umino M, Arita H: Prolonged rhythmic gum chewing suppresses nociceptive response via serotonergic descending inhibitory pathway in humans. Pain 118(1-29 -2):35-42(2005)
3)麓正樹 リズム性運動とセロトニン神経:ペダリング運動の影響千葉体育学研究:33,27-29(2010)
4)星野恭子 早起きは大事です~規則正しい生活リズムの重要性~.保育と保健,14(2):75-80,(2008)
5)鈴木 祐.超ストレス解消法 イライラが一瞬で消える100の科学的メソッド.鉄人社.(2018)
6)WHO/FAO/UNU. Protein and amino acid requirements in human nutrition. WHO Technical
Report Series 935, WHO, Geneva. (2007)
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